不動産買取では、不動産会社によって価格査定が行われ、売主が納得さえできれば実際に売買契約の締結に必要な手続きへと移っていきます。
不動産買取が初めての方にとっては、不動産がどれだけの金額で売れるのか自分では見当がつかないかもしれません。
加えて不動産を手放すためには、入ってくる金額だけでなく、費用として出ていく金額もあります。
資金計画をしっかり考えるためにも、入ってくる金額と出てくる金額についてあらかじめ確認しておき、ある程度の見積りを立てましょう。
買取再販とは?
買取再販とは、業者が中古の不動産を買い取り、リフォームやリノベーションをした上で再度販売することです。不動産会社によって買い取られた物件は、クリーニングやリフォームなど、必要な処置を行ってから次のオーナーのもとに渡ります。
昨今では、様々な理由で不動産を手放したいと考える方が多くいらっしゃいます。逆に、中古の不動産を安く購入したいと考えている方がいるのも事実です。買取再販とは、このような方々の需要に応えた役割だといえます。
買取再販を行っている専門業者は、仲介売却を主軸としている不動産会社と比較すると、建築系出身者が多い傾向にあるとされています。
仲介売却や不動産の売買に関する知識よりも、施工管理技士や建築士といった住宅そのものを建てるための専門的な技術を多く持っているケースが多いです。
そのため、よい住宅そのものの根幹について詳しく説明を伺えるでしょう。
買取にかかる費用
不動産買取では、手放すことで手元に入ってくるお金ばかりでなく、費用として出ていくお金もあります。
綿密な資金計画を立てるために、不動産買取においてかかる費用はあらかじめ確認しておきましょう。
1.収入印紙
不動産買取や仲介売却によって不動産の所有者が次の買い手に移る際、売買契約の契約書を作成する必要があります。
契約書が法的な効力を発揮するためには、収入印紙を貼り付ける必要があります。
収入印紙にかかる税金は、その売買においてやり取りされた金額によって変動します。
やり取りされた金額 |
収入印紙代 |
100万円超500万円以下 |
2,000円 |
500万円超1,000万円以下 |
1万円 |
1,000万円超5,000万円以下 |
2万円 |
5,000万円超1億円以下 |
6万円 |
1億円超5億円以下 |
10万円 |
2.抵当権抹消登記
不動産を手放す際、オーナーが変わったことを登記する必要があります。
登記には専門的な知識が必要となるため、専門としている司法書士に依頼するのが一般的です。
なお、登記にかかる費用は基本的に買い手が支払います。ただし、もし不動産に関する住宅ローンが残っているのであれば、抵当権を抹消する必要があります。
抵当権とは、住宅ローンを利用する際に不動産に設定されるものです。
抵当権を設定しておくことで、万が一住宅ローンの返済が行われなかった際に差し押さえを行い、売却などを金融機関の権限で行えます。
抵当権が設定された不動産はそのまま売却できませんので、住宅ローンを全額返済した上で抵当権を抹消するための登記を行います。
こちらも一般的な登記と同様で、司法書士に依頼されるケースが多いです。
3.繰上返済にかかる手数料
住宅ローンが残っている不動産には抵当権が設定されているため、そのままでは手放せません。
そのため、抵当権を抹消する必要があるのですが、そのためには住宅ローンの全額返済が条件となります。
払うはずだった利子がなくなるので少し得をした気分になるかもしれませんが、そうとは限りません。残った住宅ローンを一括で全額返済する場合、別で手数料が発生します。これが繰上返済手数料です。
金融機関は、お金を貸して長期にわたり返済してもらうことで発生した利子により、利益を出しています。
しかし一括で全額返済されてしまうと、結果的に利益が減ってしまいます。そのため、繰上返済手数料が設けられているのです。
4.所得税および住民税
不動産買取によって得られた金額からかかった費用を引いた上で利益が残った場合、所得税および住民税を支払う必要が出てきます。
不動産を手放すことで得られた売却金額が、所得として扱われるためです。場合によっては、確定申告を行う必要もあるでしょう。
不動産買取にかかった費用は、経費としての計上が可能です。
- 収入印紙代
- 登記にかかった費用(依頼費用含む)
- 不動産取得税
- 測量費用
- 建物を解体するのにかかった費用
- 土地を整えるのにかかった費用
- 土地を購入するのにかかった費用
- 建物を購入するのにかかった費用
以上が経費に該当するため、あらかじめ確認しておきましょう。